グリコ栄養食品が管理職・一般職向けハラスメント研修を実施—心理的安全性の高い職場づくりへ

ヘルスウェルビーイングニュース

グリコ栄養食品、従業員向けハラスメント研修で「グレーゾーン」に光を当てる

「子どもを願うすべての人によりそい 幸せな人生を歩める社会をつくる」というビジョンを掲げ、法人の従業員向け福利厚生や自治体の住民向け支援を行うヘルスケアサポートサービス「ファミワン」を展開する株式会社ファミワンは、グリコ栄養食品株式会社(以下、グリコ栄養食品)の従業員向けに、管理職・一般職を対象としたハラスメント研修を開催しました。本研修では、ファミワンの公認心理師・臨床心理士である戸田さやか氏が登壇し、上司と部下双方の視点から「コンプライアンス違反」や「ハラスメント」について深く考える機会が提供されました。

グリコ栄養食品が2025年12月3日に、管理職・一般職向けのハラスメント研修を開催。ファミワンの戸田さやか氏が講師を務め、ハラスメント防止と職場環境改善を目指す内容でした。

研修の目的と内容:認識のズレをなくし、相互理解を深める

今回の研修は、グリコ栄養食品の管理職と一般職がそれぞれの立場で「コンプライアンス違反」や「ハラスメント」について正しく理解し、その予防、対応、管理に関する知識を身につけることを目的に実施されました。

管理職向けには「ハラスメントのグレーゾーン~予防・対応・管理~」というテーマで、一般職向けには「コミュニケーションの視点で見直すハラスメントのグレーゾーン」というテーマで実施されました。講師を務めた戸田さやか氏は、日常業務で知らず知らずのうちに発生しうる「コンプライアンス違反」や「ハラスメントのグレーゾーン」に当たる事案について、分かりやすく解説しました。

具体的な事例を通じたグループワークで理解を深化

研修では、具体的な事例ケースを想定したグループワークが実施されました。管理職向けでは、「管理業務の適正な範囲内」であったかという視点から活発なディスカッションが行われました。一方、一般職向けでは、ハラスメントのグレーゾーンに当たる行為が発生した場合に、同僚の立場としてどのように考え、行動すべきかについてグループで話し合われました。

参加者からは、「考え方の整理とアップデートができた」「マネージャーとして必要な知見をアップデートできた」「グレーゾーンという難しい判断を必要とする事象について学べた」といった声が寄せられ、ハラスメントを客観的に捉える重要性を認識し、自身の行動を見直そうとする意識の変化が見られました。この活発な意見交換は、組織内の多様な価値観を尊重し合う社内風土の醸成に大きく貢献する機会となったことでしょう。

会議室で行われている研修の様子です。参加者たちがテーブルに座り、それぞれラップトップを使用しています。プロジェクターには「部下向け研修 コミュニケーションの視点で ハラスメントのグレーゾーン」というタイトルが表示されており、活発な学習環境がうかがえます。

グリコ栄養食品からのコメント:時代に合わせた意識改革の重要性

グリコ栄養食品株式会社 代表取締役社長の栗木 隆氏は、研修後に以下のようにコメントしています。

昭和と平成、令和では時にハラスメントに対する敏感さはより重要になっています。社会通念は常に変わり続けているということでしょう。昭和に育った私も解り易いセミナーで学び直すよい機会になりました。お世話になりました株式会社ファミワン様に、改めて感謝申し上げます。今後とも引き続き、変わらぬご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

白い背景の前に立つ、スーツ姿の中年男性のポートレート。彼はカメラを真っ直ぐ見つめ、両手を前で組んでいます。落ち着いた表情をしており、ビジネスシーンや公式な場面に適した印象を与えます。

また、総務人事部担当者の上田 幸子氏も、本研修の意義について次のように述べています。

職場におけるハラスメント防止は、企業の信頼と持続的成長に直結する重要課題です。今回の研修は、管理職と一般職双方を対象に、ハラスメントの“グレーゾーン”を正しく理解し、コミュニケーションの質を高めることを目的としました。グレーゾーンが生じる背景には、多様性や価値観の違いがあり、その認識不足が誤解や摩擦を招きます。私たちは、こうした違いを尊重しながら心理的安全性を双方で高める風土づくりの一助にしたいと考えています。社会的意識や法制度の高まりを背景に、健全な職場文化の構築を目指しております。本研修を通じ、対話を重ねることで相互理解をより深め、誰もが安心して働く事ができ、挑戦し続けられる環境を実現してまいります。

これらのコメントからは、グリコ栄養食品がハラスメント防止と健全な職場文化の構築に真剣に取り組む姿勢がうかがえます。

ハラスメントとは?「グレーゾーン」を理解する第一歩

ハラスメントという言葉はよく耳にしますが、その具体的な定義や種類、そして「グレーゾーン」と呼ばれる曖昧な領域について、私たちはどこまで理解できているでしょうか。ハラスメントは、個人の尊厳を傷つけ、職場の環境を悪化させるだけでなく、企業の生産性や信頼性にも大きな影響を及ぼします。

ハラスメントの基本的な定義と種類

一般的に、ハラスメントとは「嫌がらせ」を意味し、職場においては、優越的な関係や立場を利用したり、性的な言動、妊娠・出産・育児・介護に関する言動などにより、労働者の就業環境を害したり、労働条件に不利益を与えたりする行為を指します。主なハラスメントの種類は以下の通りです。

  • パワーハラスメント(パワハラ)

    • 定義: 職場において行われる、優越的な関係を背景とした言動であって、業務の適正な範囲を超えて行われることにより、労働者の就業環境が害されるもの。2020年6月に施行された改正労働施策総合推進法(通称「パワハラ防止法」)により、企業に防止措置が義務付けられています。

    • 6類型: 厚生労働省ではパワハラを以下の6つの類型に分類しています。

      1. 身体的な攻撃: 叩く、殴る、蹴るなどの暴力行為。
      2. 精神的な攻撃: 侮辱、名誉毀損、ひどい暴言、脅迫、いじめ、執拗な叱責など。
      3. 人間関係からの切り離し: 隔離、無視、仲間外れなど。
      4. 過大な要求: 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害など。
      5. 過小な要求: 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えないこと。
      6. 個の侵害: プライベートなことに過度に立ち入ること。
  • セクシュアルハラスメント(セクハラ)

    • 定義: 職場における性的な言動により、労働者の就業環境が害されたり、労働条件に不利益が生じたりすること。大きく分けて「対価型」と「環境型」があります。

      • 対価型: 性的な言動を拒否したことで解雇や降格などの不利益を受けること。

      • 環境型: 性的な言動により、職場環境が不快で仕事に支障をきたすこと。

  • マタニティハラスメント(マタハラ)

    • 定義: 妊娠・出産・育児に関する制度や措置を利用することへの嫌がらせや、妊娠・出産を理由とした不利益な取り扱いをすること。
  • ケアハラスメント(ケアハラ)

    • 定義: 介護休業など、介護に関する制度や措置を利用することへの嫌がらせや、介護を理由とした不利益な取り扱いをすること。
  • モラルハラスメント(モラハラ)

    • 定義: 言葉や態度によって精神的な苦痛を与える嫌がらせ。パワハラと重なる部分も多いですが、力関係の優劣に関わらず発生しうる点が特徴です。
  • アルコールハラスメント(アルハラ)

    • 定義: 飲酒の強要や、飲めない人への嫌がらせなど、アルコールに関する嫌がらせ行為。
  • リモートハラスメント(リモハラ)

    • 定義: テレワークやリモートワーク環境下で発生するハラスメント。オンライン会議でのプライベートな詮索、過度な監視、チャットでの不適切な発言などが該当します。

ハラスメントの「グレーゾーン」とは?

今回の研修の主要テーマであった「グレーゾーン」とは、ハラスメントと指導・教育の境界線が曖昧で、判断が難しい状況を指します。「これは指導なのか、それともハラスメントなのか?」と悩むことは少なくありません。

グレーゾーンが生まれる背景には、個人の価値観の多様化、コミュニケーション不足、そして世代間の認識のズレなどがあります。ある人にとっては当たり前の指導でも、別の人にとっては精神的苦痛を与えるハラスメントに感じられる可能性があります。特に、上司と部下では「業務の適正な範囲」や「適切な叱責」に対する認識が異なることが多いでしょう。

このグレーゾーンを適切に判断し、対処するためには、以下の点が重要になります。

  1. 客観的な視点: 行為が客観的に見て不適切かどうか。
  2. 相手の受け止め方: 行為を受けた側がどう感じたか。たとえ意図がなくても、相手が不快に感じれば問題となる可能性があります。
  3. 反復継続性: 一度きりの言動か、繰り返し行われているか。
  4. 行為の態様: 言動の頻度、場所、状況、行為者の態度など。
  5. 個人の属性: 行為を受けた人の性格、年齢、経験、病歴など。

これらの要素を総合的に判断することが求められます。研修でグループワークが行われたように、具体的なケースを通じて多角的に議論することは、このグレーゾーンへの理解を深める上で非常に有効なアプローチと言えるでしょう。

ハラスメントが職場に与える影響

ハラスメントは、被害者個人だけでなく、職場全体、ひいては企業全体に深刻な悪影響をもたらします。

個人への影響

  • 精神的・身体的苦痛: ストレス、不安、不眠、うつ病などの精神疾患、頭痛や胃痛といった身体症状を引き起こすことがあります。

  • モチベーションの低下: 仕事への意欲を失い、パフォーマンスが低下します。

  • 離職: 精神的な負担から、休職や退職を選ぶケースも少なくありません。

  • キャリア形成への悪影響: 精神的なダメージにより、本来の能力を発揮できず、キャリアアップの機会を逃すこともあります。

組織への影響

  • 生産性の低下: ハラスメントが発生すると、被害者だけでなく周囲の従業員の士気も低下し、業務効率が悪化します。

  • 職場の雰囲気悪化: 不信感や緊張感が蔓延し、コミュニケーションが滞り、協力体制が崩れることがあります。

  • 離職率の増加: 優秀な人材が流出し、新たな人材の採用・育成にコストがかかります。

  • 企業イメージの悪化: ハラスメント問題が表面化すると、企業の社会的信用が失墜し、採用活動や取引にも悪影響を及ぼす可能性があります。

  • 法的リスク: 訴訟や行政指導の対象となり、多額の賠償金や罰金が発生するリスクがあります。

このように、ハラスメントは決して軽視できない問題であり、企業は積極的に防止策を講じる必要があります。

心理的安全性:安心して意見を言える職場環境の重要性

今回の研修では、ハラスメントの防止とともに、心理的安全性の高い職場風土の醸成が目指されました。心理的安全性とは、チームや組織の中で、自分の意見や疑問、懸念、失敗などを安心して発言できる状態を指します。Googleの研究でも、成功するチームに共通する最も重要な要素として「心理的安全性」が挙げられています。

心理的安全性が高い職場の特徴

  • 意見が出やすい: 誰もが自由にアイデアや意見を提案でき、建設的な議論が活発に行われます。

  • 質問がしやすい: 分からないことや疑問に思ったことを、ためらわずに質問できます。

  • 失敗を恐れない: 失敗しても責められるのではなく、学びの機会として捉え、次に活かそうとする文化があります。

  • 助け合いの精神: 困っている人がいれば、周囲が積極的にサポートします。

  • 多様性の尊重: さまざまな背景を持つメンバーの意見や価値観が受け入れられ、尊重されます。

心理的安全性を高めるためのポイント

心理的安全性を高めるためには、管理職だけでなく、従業員一人ひとりの意識と行動が重要です。

  1. リーダーシップの役割: リーダーは、自ら率先して弱みを見せたり、失敗を認めたりすることで、メンバーが安心して発言できる雰囲気を作ることが大切です。また、メンバーの意見を傾聴し、感謝の言葉を伝えることも重要です。
  2. オープンな対話の促進: 定期的な1on1ミーティングや、気軽に意見交換できる場を設けることで、率直な対話を促します。異なる意見が出た場合でも、頭ごなしに否定せず、まずは受け止める姿勢が重要です。
  3. フィードバック文化の醸成: 建設的なフィードバックを日常的に行い、相手の成長を支援する姿勢を示します。フィードバックは、人格を否定するものではなく、行動に焦点を当てたものにすることが肝心です。
  4. 多様性の尊重: 異なる意見や価値観を持つ人がいることを前提とし、それぞれの違いを強みとして活かせるよう努めます。無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)にも注意を払いましょう。
  5. ルールとプロセスの明確化: ハラスメントの定義や相談窓口、対応プロセスを明確にすることで、万が一の際に従業員が安心して行動できる基盤を築きます。

心理的安全性の高い職場は、従業員のエンゲージメントを高め、創造性を刺激し、結果として組織全体のパフォーマンス向上につながるでしょう。今回の研修が、グリコ栄養食品におけるそのような職場づくりを加速させる一歩となることが期待されます。

ファミワンが提供する福利厚生サービス

今回の研修を企画・実施した株式会社ファミワンは、「専門家によるセミナー/研修を通じた従業員のリテラシー向上や社内風土の醸成」と「オンライン健康相談による従業員個々のサポート」という2つの軸で、企業の健康経営や両立支援、女性活躍推進を支援しています。

ファミワンを導入している企業の従業員は、オンラインで時間や場所を選ばずに、看護師、心理士、キャリアコンサルタントといった有資格者に多様なテーマについて相談できます。匿名で相談できる環境は、心理的安全性を高め、従業員満足度の向上に寄与します。早期に悩みを相談することで、不調の未然防止にもつながることが期待されています。

また、全従業員を対象としたプロフェッショナル講師陣によるセミナー/研修も提供しており、会社全体のリテラシー向上をサポート。特に女性特有の健康課題に対しては、約7割の女性従業員が上司や周囲の理解を望んでいるという調査結果もあります。管理職や周囲の従業員へ正しい知識を提供し、理解を促すことで、支援の幅を広げています。セミナー/研修のテーマは、各社のニーズや課題に応じて柔軟にカスタマイズが可能です。

ファミワンは2018年9月より法人向け福利厚生プログラムの提供を開始し、小田急電鉄やTBS厚生会などへの福利厚生導入に加え、ソニー、全日本空輸株式会社(ANA)、伊藤忠労働組合などへもセミナーを提供しています。自治体への提供実績も豊富で、神奈川県横須賀市、長崎県、東京都杉並区、世田谷区、広島県三原市、群馬県邑楽町など、幅広い地域でサービスを展開しています。

まとめ

今回のグリコ栄養食品でのハラスメント研修は、時代の変化とともに多様化する職場の課題に対し、企業が積極的に向き合う姿勢を示すものです。ハラスメントの「グレーゾーン」を理解し、心理的安全性の高い職場環境を築くことは、従業員一人ひとりが能力を最大限に発揮し、企業が持続的に成長していく上で不可欠な要素と言えるでしょう。ファミワンのような専門サービスを活用することで、企業はより効果的に健全な職場文化を構築し、従業員が安心して働ける環境を提供できるはずです。

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