介護の現場では、これまで「きつい」「汚い」「危険」という「3K」が大きな課題として認識されてきました。しかし、2025年11月11日の「介護の日」を前に実施された意識調査によって、もう一つの、そして非常にデリケートな「K」が浮き彫りになりました。それは「くさい」というニオイの問題です。
この調査では、介護者と被介護者の双方の過半数がニオイによってストレスを感じていることが判明し、ニオイが介護現場に与える影響の大きさが改めて示されました。普段のコミュニケーションが良好であっても、ニオイに関する話題は指摘しづらく、聞きづらいという実態は、多くの関係者が抱える「モヤモヤ感」の根源となっているようです。
一般社団法人日本介護協会の二代目理事長である平栗潤一氏も、「ニオイ対策が介護業界をより良いものにするキッカケになる」と語っており、この問題への積極的な取り組みが、介護を取り巻く環境を大きく変える可能性を秘めています。
介護現場の「ニオイ」実態調査から見えたこと
気になるニオイの正体
介護現場で特に気になるニオイとして、介護者と被介護者の両方から共通して「尿臭」「便臭」「体臭」が上位に挙げられました。介護にまつわるニオイは、介護する側だけの悩みと思われがちですが、被介護者自身もこれらのニオイを認識し、気にしていることが分かります。これは、ニオイ問題が双方にとって精神的な負担となっていることを示唆しています。
これらのニオイは、それぞれ特有の成分によって構成されています。
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尿臭:主な原因物質はアンモニアですが、脱水状態や特定の疾患、尿路感染症などにより、さらに強いニオイを発することがあります。体内の老廃物が適切に排泄されず、尿中に蓄積されることもニオイを強める要因となります。
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便臭:インドール、スカトール、硫化水素などが主なニニオイ成分です。これらは腸内細菌の活動によって生成され、食生活や腸内環境によってニオイの強さが変化します。特に、肉類中心の食事や便秘は便臭を強める傾向があります。
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体臭:加齢臭(2-ノネナール)、汗臭(皮脂の酸化物)、疲労臭(アンモニア、乳酸など)など、多岐にわたります。高齢になると皮脂の組成が変化し、加齢臭が強まる傾向があります。また、病気や服用している薬が原因で独特の体臭が発生することもあります。清潔を保つ努力をしていても、体質や体調によってニオイが変化するため、対策が難しいと感じる人も少なくありません。
ニオイが引き起こすストレスと心理的影響
調査結果は、ニオイが介護現場に与える心理的な影響の深刻さを浮き彫りにしました。介護者の64.0%、被介護者の52.0%がニオイによってストレスを感じていると回答しています。このストレスは、それぞれ異なる形で現れます。
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介護者: 「モチベーションの低下(57.8%)」が最も多く、日々の業務に対する意欲の減退につながっています。ニオイが原因で、やりがいを感じにくくなったり、精神的な疲労が蓄積しやすくなったりすることが考えられます。特に居宅介護サービスでは、施設介護サービスと比較して介護者がニオイのストレスを感じる割合が高いことが分かりました。これは、施設ではニオイに慣れてしまうケースがある一方で、居宅ではより直接的にニオイと向き合う場面が多いからかもしれません。平栗氏は、「施設介護サービスは施設内で生活しているためニオイ自体に慣れてしまっているかと思います。その分、被介護者のご家族や新しい従業員の方はニオイを感じやすいかもしれません。」と分析しています。
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被介護者: 「心理面での浮き沈み(45.2%)」が最多で、自身のニオイが他者に不快感を与えているのではないかという不安から、自己肯定感が低下したり、人との交流を避けたりするようになる可能性があります。これは、被介護者の生活の質(QOL)を著しく低下させる要因となり得ます。
このようなニオイによるストレスは、介護現場における「スメルハラスメント」という形で顕在化することもあります。ニオイが原因で人間関係が悪化したり、介護職の離職につながったりするケースも少なくありません。介護職のバーンアウトや精神的な健康問題は、人手不足が深刻化する介護業界にとって、看過できない課題です。
コミュニケーションの壁
介護者と被介護者の間で良好なコミュニケーションが取れていると感じている人は、それぞれ63.5%と60.5%と高い割合を示しています。しかし、ニオイに関する話題となると状況は一変します。
介護者が指摘しづらいと感じる事柄の上位には、「体臭や生活臭(28.5%)」が挙がり、被介護者も「自分の体臭や排泄物(26.5%)」について相談しづらいと感じています。これは、「言葉遣いや態度」「生活習慣上の問題」といった他のパーソナルな問題よりも、自身のニオイに関する話題がよりデリケートで、相手を傷つける可能性を秘めていると認識されているためでしょう。平栗氏が指摘するように、「口に出せないことでモヤモヤが募り悩みを抱える人も多い」のが現状です。
ニオイの問題がこれほどまでにセンシティブである背景には、人間の尊厳やプライバシー、そして文化的な要素が深く関わっています。自身の身体から発せられるニオイは、自己の存在と密接に結びついており、それを指摘されることは、人格を否定されるような感覚に陥ることもあります。そのため、たとえ良好な関係が築けていても、ニオイに関する話題は避けられがちになり、結果として問題が潜在化し、ストレスが蓄積していく悪循環が生じてしまいます。
現場のニオイ対策の現状
ニオイ問題の深刻さに対し、介護者(55.0%)と被介護者(47.5%)の約半数が、介護現場や部屋のニオイについて何らかの対策を行っていると回答しています。具体的な対策としては、「消臭剤を置く」「換気する」「体を拭く、入浴などで清潔を保つ」が上位を占めました。特に消臭剤の設置は、両者にとって手軽に取り組める対策として広く実践されています。居宅介護サービスでは、被介護者自身が消臭剤を置くケースが多く見られます。
しかし、これらの対策が講じられていても、ニオイのお悩みが完全に解消されるわけではないという現状があります。これは、一般的な対策だけでは対処しきれない、根深いニオイの問題が存在することを示唆しています。ニオイの原因物質を根本から除去することや、より効果的な消臭方法の導入が求められていると言えるでしょう。
介護現場のやりがい、被介護者の楽しみ
ニオイ問題という課題がある一方で、介護現場には温かい交流や前向きな側面も多く存在します。
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介護者のやりがい: 「被介護者から感謝の言葉や笑顔をもらう時(81.0%)」が最も多く、次いで「社会的に貢献している実感がある時(53.5%)」「被介護者のご家族から感謝の言葉をもらう時(47.0%)」と続きます。人との触れ合いの中で生まれる感謝や、社会に貢献しているという実感が、介護職の大きなモチベーションとなっています。
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被介護者の楽しみ: 「介護・支援者との会話(72.5%)」が最も多く、続いて「一人でできないことを手助けしてもらうこと(67.0%)」「食事(57.5%)」という結果でした。日々の何気ない会話や、手を差し伸べてもらうことへの喜びが、被介護者の生活を豊かにしていることが分かります。
これらの結果は、ニオイ問題の解決が、介護者・被介護者双方の生活の質を向上させ、より豊かな人間関係を築くための重要な一歩となることを示唆しています。ニオイの心配事が減ることで、よりオープンで心温まるコミュニケーションが生まれる可能性を秘めているでしょう。
日本介護協会二代目理事長 平栗潤一氏が語る介護現場のリアル
今回の調査結果を受けて、日本介護協会二代目理事長の平栗潤一氏から、介護現場の現状とニオイ問題への見解が寄せられました。
平栗氏は、私たち介護職は現場のニオイに慣れていても、ご家族や新しい職員は施設が「くさい」と感じることが多いと指摘します。排泄臭だけでなく、汗臭、口臭、浴室のカビ臭など、介護現場には多様なニオイが存在し、これらが多くの介護職の悩みの種となっています。特に利用者自身のニオイについては指摘しにくく、日々のケアで予防するしかないという現実があります。また、夜勤などで勤務時間が長くなると、同僚のニオイに悩まされる「スメルハラスメント」の問題も発生し、これが介護職の大きなストレスにつながっていると感じているとのことです。
ニオイに関する指摘は非常にデリケートな問題であり、相手を不快にさせたり、深刻な場合には離職につながったりする恐れもあります。人手不足が深刻な介護業界において、これは看過できない課題です。結果として、多くの介護職が様々なニオイを我慢しながら介護をしているのが現状だと言います。
平栗氏は、介護業界が労働環境改善のために「3K(きつい・汚い・危険)」の解消に取り組んできた中で、近年では「くさい」という「新たなK」も現場の悩みとして目を背けられないと強調しています。ニオイ問題を解決する商品が進化することは、介護業界にとって大きな恩恵であり、現場の環境改善に大きく貢献すると期待を寄せています。
平栗氏は2021年より日本介護協会の理事長を務め、介護業界の活性化のために「介護甲子園」を開催するなど、多岐にわたる活動を展開しています。また、介護業界の悩み解決のために関係企業と連携し、商品開発や実証実験にも協力しています。別法人では、関西を中心に特別養護老人ホームやグループホーム、デイサービス、地域包括支援センター、就労継続支援B型事業所などを運営しており、現場の課題を深く理解している専門家として、その言葉には重みがあります。
「消臭元ZERO 無香料」による現場でのトライアルとその可能性
小林製薬は、介護現場のニオイ問題の解決に貢献するため、介護施設「グループホームあおぞら」と「大桐地域在宅サービスステーションおおぎり」にて、「消臭元ZERO 無香料」の設置トライアルを実施しました。このトライアルでは、介護者と被介護者の計50名を対象にアンケート調査が行われました。
設置前に確認されたニオイ問題の深刻さ
「消臭元ZERO 無香料」設置前に、施設で働く介護者にアンケートを行ったところ、81.0%が「ニオイが原因で発生するトラブルやストレスが存在する」と回答しました。また、71.4%が何らかのニオイ対策を「行っている」と答えています。対策を行っていないと回答した人からは、「居室内での体臭はそれぞれに違いがあり、消臭は難しいと思う」「常時マスク着用のためあまり気にならないため」といった声が聞かれました。
しかし、ニオイ問題やそれに伴うストレスが解消することを望んでいる人は85.7%にものぼり、現場のニオイ問題への強い懸念と解決への期待が浮き彫りになりました。
ニオイに関する話題は避けられる傾向に
介護現場では、ニオイに関する話題が非常にデリケートであることが改めて示されました。介護者の94%が、被介護者から「自身のニオイやお部屋のニオイについて気にしているような言葉を受けたことがない」と回答しています。また、ニオイ改善のために被介護者本人に直接言葉をかけない介護者が58.8%に上ることから、施設においてもニオイに関する会話が双方にとってセンシティブな問題であることが分かります。
介護者が被介護者やその部屋のニオイに対しネガティブな印象を抱いた場合でも、「きれいに掃除する旨を伝える」「更衣を促したり換気をしたりする」など、ニオイについて直接本人への指摘は避け、介護者の行動によって間接的に対処しているようです。言葉をかけない理由としては、「本人に気にしてほしくないから」「改善は難しいため」「デリケートな問題であるため」「伝え方が難しく相手を傷つけるため」といった回答が集まりました。これは、介護者が被介護者の尊厳を傷つけないよう、細心の注意を払っている証拠と言えるでしょう。
「消臭元ZERO 無香料」設置後の効果
実際に「消臭元ZERO 無香料」を約1週間設置したところ、介護者からは前向きな変化が報告されました。介護者17名のうち、41.2%が「尿臭」「便臭」が低減したと感じ、52.9%がニオイのお悩みが減るだろうと回答しています。中には、設置期間の関係で効果を実感できなかったという介護者もいましたが、一定の効果が見られたことは大きな一歩です。
また、被介護者12人中7人が「使用を継続したい」と回答し、「トイレのニオイが気にならなくなった」といった具体的な感想も寄せられました。この結果は、「消臭元ZERO 無香料」が介護現場のニオイ問題解決に貢献できる可能性を示しています。
「消臭元ZERO 無香料」製品特徴
「消臭元ZERO 無香料」は、最大量・最多種¹の化学的消臭成分を独自に配合し、歴代消臭元史上最強²の無香料消臭を実現した製品です。お部屋、トイレ、キッチン、玄関、リビングなど、ご家庭の10大悪臭にこれ一つで対処できるとされています。香りでごまかさず、ニオイの元を化学的に分解する「ZERO式処方³」を採用しているため、これまで対処しきれなかったニオイにも効果が期待できます。また、つめ替えができる液体大容量タイプであるため、環境への配慮もなされています。
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1、2 消臭元ブランド史上、ろ紙上で働く消臭剤の配合量が最も多く、化学的に消臭できる悪臭の種類が最も多い。
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*3 消臭の本質を極めたい想いで消臭の原点に立ち戻り、ゼロから考えて作り上げた処方のこと
ニオイ問題解決に向けた小林製薬の挑戦と未来
小林製薬が開発した「消臭元ZERO 無香料」は、「最強の消臭剤」をコンセプトに、家庭内の体臭、料理臭、便臭、尿臭、生ゴミ臭など、10大悪臭に効く製品として誕生しました。この製品が持つ高い消臭性能を活かし、家庭内のニオイ問題に留まらず、社会や日常生活におけるより多くの「ニオイプロブレム」の解決に貢献できると信じられています。
今回の介護現場での実態調査と製品トライアルは、その第一歩として実施されました。調査の結果、介護現場の課題が従来の「3K」だけでなく、「くさい」という「新たなK」も大きな悩みであり、介護者・被介護者の過半数がニオイによってストレスを感じている実態が明らかになりました。特に、ニオイに関する話題が、良好な関係が築けていても指摘しづらく、聞きづらいという、非常にセンシティブな問題であることも浮き彫りになりました。
このような深刻な現場の課題に対し、実際に「消臭元ZERO 無香料」を利用した介護者からは、「実際にニオイが減っている」「心配事が減ると思った」といった、消臭効果を実感する声が寄せられています。これは、製品が介護現場の環境改善に貢献する可能性を示すものです。
小林製薬は、今回の介護業界での成果を足がかりとし、今後も様々な生活・社会の場面における「ニオイプロブレム」を徹底的に追求し、その解決に貢献していくと表明しています。ニオイの心配事が減ることで、人々がより前向きに、快適に過ごせる社会の実現を目指して、「消臭元ZERO」は進化を続けるでしょう。
介護現場のニオイ対策、さらに一歩進めるために
ニオイ問題の解決は、単に消臭剤を置くだけでは完結しません。多角的なアプローチが求められます。
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身体的ケアの徹底: 適切な清拭や入浴、口腔ケアは、体臭や口臭の発生を抑える基本です。排泄ケアにおいては、おむつの頻繁な交換や、清拭材の活用、陰部洗浄などを丁寧に行うことで、尿臭や便臭の発生を最小限に抑えることができます。また、水分補給を適切に行い、便秘を解消することも腸内環境を整え、便臭軽減につながります。
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環境的ケアの強化: 定期的な換気はもちろんのこと、空気清浄機や除湿機の活用も効果的です。特に湿気の多い場所はカビの温床となり、独特のニオイの原因となるため、除湿は重要です。清掃も徹底し、ニオイの原因となる汚れを溜めないことが大切です。寝具や衣類の洗濯をこまめに行うことも、清潔な環境を保つ上で欠かせません。消臭剤を選ぶ際には、香りでごまかすタイプではなく、ニオイの元を分解・吸着する無香料タイプを選ぶことが、真の消臭効果を得る鍵となります。
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食事と生活習慣の見直し: 食事内容も体臭に影響を与えます。肉類中心の食事は体臭を強める傾向があるため、野菜や発酵食品をバランス良く取り入れる食生活を意識することも有効です。規則正しい生活リズムや適度な運動は、新陳代謝を促し、体内の老廃物排出を助けることで、体臭の軽減に寄与する可能性があります。
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コミュニケーションの工夫: ニオイに関する話題はデリケートであるため、直接的な指摘は避け、間接的なアプローチが有効です。例えば、「お部屋の空気を入れ替えましょうか」「新しいタオルはいかがですか」といった声かけや、具体的な行動を通じて、被介護者が不快感なく清潔を保てるようサポートすることが重要です。必要に応じて、専門職や第三者が介入し、客観的な視点からニオイ問題へのサポートを行うことも考えられます。
高齢化社会と介護の未来
日本は世界でも類を見ない速さで高齢化が進んでおり、介護は社会全体で向き合うべき重要なテーマです。ニオイ問題の解決は、単に不快感を解消するだけでなく、高齢者の尊厳を守り、自己肯定感を高めることにつながります。また、介護職の労働環境が改善されれば、離職率の低下や新たな人材の確保にも寄与し、介護業界全体の持続可能性を高めることにもつながるでしょう。
ニオイに対する社会全体の意識を変え、偏見をなくし、オープンに議論できる環境を育むことも重要です。技術の進歩と、人々の理解と配慮が結びつくことで、介護現場はより快適で、温かい場所へと進化していくはずです。
まとめ
今回の調査によって、介護現場におけるニオイ問題が「3K」に並ぶ「4K」として、介護者・被介護者の双方にとって深刻なストレス源であることが明らかになりました。ニオイは非常にデリケートな問題であり、コミュニケーションの壁となることも少なくありません。
しかし、「消臭元ZERO 無香料」のような製品による具体的な対策と、平栗理事長が語るような介護業界全体の意識改革と環境整備が連携することで、この課題はきっと乗り越えられるでしょう。ニオイの心配事が減ることは、介護者にとってはやりがいを、被介護者にとっては日々の楽しみを増やすことにつながり、より質の高い、心豊かな介護の実現に貢献するはずです。
11月11日の「介護の日」を機に、私たち一人ひとりが介護現場の課題に目を向け、ニオイ問題の解決がもたらす未来について考えてみませんか。
関連リンク
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消臭元ブランド30周年記念サイト: https://www.kobayashi.co.jp/brand/shoshugen/
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小林製薬株式会社 お客様相談室: https://www.kobayashi.co.jp


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