免疫への認識が変わる時代:高めるだけでなく「整える」重要性
「免疫」と聞くと、風邪をひかないように「高める」もの、というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか?しかし、近年、その認識が大きく変わりつつあります。
2025年のノーベル生理学・医学賞で「免疫の制御」という概念が注目されたことをきっかけに、免疫はただ高ければ良いというものではなく、「バランスが重要」であるという考え方が広がり始めています。実は、花粉症やアレルギーなどの症状は、免疫が過剰に反応してしまうことで起こる「免疫の暴走」が原因だと考えられているのです。
オハヨー乳業株式会社が20~60代の男女400名を対象に行ったアンケート調査からは、私たちの免疫への理解がどのように変化しているか、そして今後の健康管理において何が求められているのかが見えてきました。
調査で明らかになった「免疫」に関する意識の変化
1. 免疫への理解:「高い方が良い」と「バランスが重要」が同率に
今回の調査で、人々の「体の免疫」に対する理解が二極化していることが明らかになりました。「免疫力は高い方が良い」と回答した人と、「免疫はバランスが重要」と回答した人が、ともに48%と同等の割合を占めました。これは、これまで「免疫は高めるもの」というイメージが強かった中で、「バランス」の重要性にも多くの人が注目し始めていることを示唆しています。免疫システムが本来の力を発揮するためには、単に活発であるだけでなく、適切に調整されている状態が理想的だと考えられるようになったと言えるでしょう。

2. ノーベル賞が「免疫の制御」概念の認知を広げるきっかけに
2025年のノーベル生理学・医学賞では、坂口志文氏らの「免疫の制御」に関する研究が授与され、大きな注目を集めました。このニュースをきっかけに「免疫の制御」という概念を知った人が2割に上ったことが調査で判明しました。このことは、「免疫=バランス」という考え方が広がる上で、科学的な発見が重要な役割を果たしていることを示唆しています。免疫が病原体から身を守るだけでなく、自己と非自己を正確に区別し、過剰な反応を抑えるメカニめが重要であるという、より深い理解への扉が開かれたと言えるでしょう。

3. アレルギーが「免疫過剰」によるものだとはまだ知らない人が多数
一方で、多くの人がまだ知らない事実もあります。花粉症やアレルギー、喘息といった症状が「免疫の過剰反応」、つまり「免疫の暴走」によって引き起こされることを知っていたのは、わずか36%にとどまりました。これは、一般的なアレルギーの認識と、最新の免疫学的な知見との間に、まだ大きなギャップがあることを示しています。アレルギーは体の防御機能が、無害なものに対して誤って攻撃してしまうことで起こるため、免疫が「暴走」している状態と言えるのです。

4. アレルギーを持つ人の約6割が「自分の免疫が過剰」とは考えていない
現代社会では、花粉症やアトピー、喘息などのアレルギー疾患を抱える人が増加しています。しかし、アレルギー症状を持つ人のうち、「自分が免疫過剰かもしれない」と考えたことがある人は42%にとどまり、約6割の人がその可能性を認識していないことが分かりました。自分の症状が免疫のアンバランスから来ているかもしれない、という視点を持つことが、症状への向き合い方を変える第一歩となるでしょう。アレルギー症状に悩む方々にとって、この新たな視点は、より適切なケアを見つけるきっかけになるかもしれません。

5. 免疫を整える行動として「腸内環境」への注目が高まる
では、具体的に「免疫を整える」ために、どのような行動が取られているのでしょうか?調査では、「免疫を整えるために行っていること」として、ヨーグルト・乳酸菌の摂取が45%で最も多く挙げられました。これは、腸内環境が免疫に深く関わっているという認識が広まっていることを示唆しています。腸は「第2の脳」とも呼ばれ、全身の健康に大きな影響を与えることが知られています。

さらに、「乳酸菌が“免疫を高める”だけでなく、“免疫の暴走を抑える”可能性があると知ったら摂取意向が上がるか」という質問に対しては、59%が「はい」と回答しました。この結果から、乳酸菌の価値が単なる「免疫強化」だけでなく、「免疫調整」へと広がる大きな可能性を秘めていることが見て取れます。乳酸菌の持つ多様な機能への期待が高まっていると言えるでしょう。

免疫の「バランス」とは?「過剰反応」のメカニズムを紐解く
これまで「免疫」というと、外部からのウイルスや細菌と戦う「防御力」というイメージが強かったかもしれません。確かに、免疫細胞は体内に侵入した異物を排除し、私たちを病気から守ってくれる大切なシステムです。しかし、その防御システムが過剰に働きすぎてしまうと、アレルギー反応や自己免疫疾患といった形で、かえって体に不調をもたらすことがあります。
例えば、花粉症は、体にとって無害な花粉に対して、免疫システムが「敵だ!」と誤認し、過剰に攻撃することで引き起こされます。くしゃみや鼻水、目のかゆみといった症状は、この過剰な免疫反応の表れなのです。このように、免疫は「高ければ高いほど良い」という単純なものではなく、適切な「バランス」を保つことが非常に重要なのです。
免疫のバランスが崩れると、アレルギーのような即時型反応だけでなく、慢性的な炎症や自己免疫疾患(自分の体を攻撃してしまう病気)につながることもあります。私たちの体には、免疫を「オン」にするアクセル役の細胞と、「オフ」にするブレーキ役の細胞が共存しています。このアクセルとブレーキのバランスが適切に保たれることが、健康な免疫機能の鍵となります。2025年のノーベル生理学・医学賞で注目された「免疫の制御」の研究は、まさにこの免疫のバランスをどのように保つか、あるいは崩れてしまったバランスをどう取り戻すか、という点に光を当てるものです。免疫システムには、攻撃する細胞だけでなく、その攻撃を抑えたり、調整したりする細胞も存在します。これらの細胞がうまく機能することで、私たちの体は適切な免疫バランスを維持できるのです。
腸内環境が免疫バランスのカギを握る理由
「免疫を整える」上で、なぜ「腸内環境」がこれほど注目されているのでしょうか?実は、私たちの体にある免疫細胞の約70%が「腸」に存在すると言われています。腸は、食べ物から栄養を吸収するだけでなく、外部から侵入する病原体と最初に接触する「最大の免疫器官」でもあるのです。そのため、腸の健康状態が全身の免疫機能に直接的な影響を与えることが、多くの研究で明らかになっています。
腸内には、善玉菌、悪玉菌、日和見菌といった様々な細菌が生息しており、これらが「腸内フローラ」と呼ばれる生態系を形成しています。この腸内フローラのバランスが良い状態、つまり善玉菌が優勢な状態であれば、免疫細胞は適切に機能し、過剰な反応を抑えつつ、必要な防御力を発揮できるようになります。善玉菌は、短鎖脂肪酸などの有用な物質を作り出し、腸のバリア機能を高めたり、免疫細胞の成熟や活性化をサポートしたりする役割も担っています。
逆に、腸内フローラのバランスが崩れ、悪玉菌が増えてしまうと、腸のバリア機能が低下し、未消化の食べ物や有害物質が体内に入り込みやすくなります。これにより、免疫細胞が常に過剰に反応する状態になり、アレルギー症状が悪化したり、風邪を引きやすくなったりするなど、様々な不調につながることが知られています。日々の食生活(食物繊維の摂取量、加工食品の有無など)やストレス、睡眠不足、抗生物質の服用などが腸内環境に影響を与えるため、腸を健康に保つことは、全身の免疫バランスを整える上で欠かせない要素なのです。腸の健康は、まさに免疫システムの司令塔とも言えるでしょう。
乳酸菌が拓く「免疫調整」の新時代
今回の調査でも、ヨーグルトや乳酸菌の摂取が免疫を整える行動として広く認識されていることが示されました。これは、乳酸菌が単に「お腹の調子を整える」だけでなく、「免疫に良い影響を与える」という認識が浸透している証拠です。しかし、その影響は「免疫を高める」だけにとどまらないことが、最新の研究で明らかになりつつあります。
乳酸菌は、腸内で様々な代謝産物を作り出し、それが免疫細胞に直接的または間接的に働きかけることで、免疫応答を調節すると考えられています。最新の研究では、乳酸菌の中には、腸内で特定の免疫細胞に働きかけ、免疫の「過剰反応」を抑制したり、アレルギー症状の緩和に寄与したりする「免疫調整作用」が期待される菌株が報告されています。例えば、特定の乳酸菌がアレルギーの原因となるIgE抗体の産生を抑えたり、アレルギー反応を引き起こすサイトカインのバランスを整えたりすることで、免疫細胞のバランスをアレルギーに傾きにくい状態へと導く可能性が示唆されています。
このような乳酸菌の働きは、まさに「免疫を高める」だけでなく「免疫を整える」という、これからの時代に求められるアプローチと合致しています。もしあなたがアレルギー症状に悩んでいたり、免疫のバランスについて気になっていたりするなら、日々の食事に乳酸菌を含む食品を取り入れたり、特定の機能性を持つ乳酸菌サプリメントを検討してみる価値は十分にあるでしょう。個々の菌株によって機能が異なるため、自分の悩みに合った乳酸菌を見つけることが大切です。
オハヨー乳業の取り組み:医と食のバランスで健康をサポート
オハヨー乳業株式会社は、「医と食のバランスを変える」というビジョンを掲げ、単に乳製品を開発するだけでなく、菌の力を活用した健康づくりにも積極的に取り組んでいます。彼らの取り組みは、まさに「免疫を整える」という新しい健康観に合致するものです。
同社が研究を進める「ロイテリ乳酸菌」は、特に口腔内の善玉菌を増やし、歯周病や口臭対策など、口腔ケアにおいてもその有効性が期待されています。口腔内は、私たちの体にとって最初の「免疫の入り口」でもあり、口腔環境が全身の健康、ひいては免疫に影響を与える可能性が指摘されています。そのため、腸内環境だけでなく、口腔内の環境も健康に保つという多角的なアプローチは非常に重要であり、全身の免疫バランスを考える上で見逃せない視点と言えるでしょう。
オハヨー乳業は、今後も生活者の皆さんに役立つ調査結果や最新の研究知見を発信していくとのことです。私たちの健康を支える「菌のチカラ」に、これからも注目していきたいですね。このような企業努力が、私たちの健康リテラシー向上にも貢献していくことでしょう。
-
オハヨー乳業 コーポレートURL: https://www.ohayo-milk.co.jp/
-
運営メディア「菌とわたし」: https://media.ohayo-reuteri.com/
まとめ:免疫の新しい常識「整える」時代へ
今回の調査結果は、私たちの免疫に対する認識が、従来の「高める」一辺倒から、「バランスを整える」という、より包括的な理解へと進化していることを明確に示しています。
特に、花粉症や様々なアレルギーが「免疫の過剰反応」であるという知見や、全身の健康の要である腸内環境、そして乳酸菌がそのバランス調整に果たす役割への期待は高まるばかりです。これからの健康維持には、単に免疫力を高めるだけでなく、自分の免疫システムが適切に機能しているか、過剰に反応していないかという視点を持つことが不可欠となるでしょう。
日々の食事にヨーグルトや乳酸菌を取り入れたり、食物繊維を豊富に含む食品を選んだり、ストレスを管理したりするなど、腸内環境を意識した生活を送ることが、あなたの免疫バランスを整え、より健やかな毎日を送るための一助となるかもしれません。科学の進歩とともに、私たちの健康へのアプローチも、常にアップデートしていくことが大切ですね。自分の体の声に耳を傾け、最適な免疫ケアを見つけていきましょう。



コメント